すっかりタイミングを失して、スカタンなことこの上ないですが(泣)、先のOLCで使った弓でございます。今日現在はこのブログの上↑にも見えるバロックの弓と比較してお目に掛けます。
右側が、今回Y響のNZ兄さんにお借りしたクラシックの弓です(画像はクリックで拡大します)。「
ドラゴネッティ=ボウ」。

先のかたちが全然違いますな。持ったときのバランスが全く違うのです。驚くほど。いやホント。
どう違うかというと、カマス頭の方は手元にバランスがあって先に行くほど音はやせる(というか削れる、というか)ようにできてます。バロックの音楽のキモである「音のシェイプ」が作れるのですな。
それに比して丸頭の方は、先がしっかり重くできてます。バロックからクラシックへ(なんて大雑把な言い方!)音楽が変化するとともに、弓のかたちや機能も変化してきました。卵鶏的に、ではあると思うのですが。
材質も大きく違って、このバロック弓は所謂「スネークウッド」ですが、ドラゴン君の方は所有者さまに「林檎の木じゃねえかと思うんだよ」とうかがった覚えがあります。
他にも「フェルナンブコ(モダンボウの材料)」は勿論「アイアンウッド」とか、ありますな。また「ホワイトウッド」とか「島の木」とか(いずれも原語は仏蘭西語、なんていうのか忘れた)何の木だかよくわからないモノでコントラバス弓を作ったという記録などもたくさん残っています。
(バロック弓もクラシック弓も)かたち・材質ともに、他にもいろいろなタイプがあるのですが、今回OLCではベートーヴェンということで、ドラゴネッティ弓がスバラしく相応しい感じでした。面白い鳴り方するのよー。
ちなみに弦は今回初めて、上二本に羊腸の弦を使ってみました(下二本は牛)。それを馬のしっぽでこするし、ティンパニの皮は山羊皮だったし(音の減衰が早くてハッキリとした輪郭…)、いろいろな動物さんにお世話になりながら我々、ゴハン食べさせてもらってます。ありがとね。もちろん直接動物さんを食べますし(笑)。