Labyrinthos

甘いはずだ

華麗・浪華…ではなく、加齢と老化の話でゲンナリですが、誰しもに来ることですから仕方ないよね。もの忘れの話とか老眼の話とか、書くことはいっぱいあるのですが、序の口として今日は「乾燥」の話。

弦楽器を弾く私と弾かれる楽器、その両方にとって乾燥は大敵。

「え?乾いている方がよく鳴っていいのでは?」

そりゃそうなのですが、「過ぎ」てはいけないのですな。そのために、こんな道具まである

ずっと以前に、チェンバロやポジティヴオルガンのメンテナンスをしている方に聞いた話で、冬の演奏会のときホールの暖房が強くて(ときには30%切ったりするものね)マズイときなど霧吹で水分直接空中散布するというワザを知って以来、急場をしのぐときにはこの方法を用いております。

と、楽器はそのように。

で、私はというと…

うんと若いころは大汗かきで、ちょっと弾いたら顔や体躯など汗だくになり、これみよがしなほど「弾いてるぞ感」を漂わせていたのですが、左右とも掌は汗をかかないという演奏者としてはラッキーな体質でした。それが加えて30代ころから顔や体躯もあまり汗だく君ではなくなってきて、ただ脂っぽくないだけで乾燥肌とは無縁だったのですが、いよいよ来ました華麗なる乾燥。弓を持つ手がすべる、左手がかさついて弦やネックと親和しない…。それから指先(爪のすぐ横)の皮膚が乾燥して角質化して固くなってきて割れて痛くて弾けなくて(「て」が多い)困ることが増えて来てしまって(また「て」)。

弦楽器自体とその弓は、掌や指との親和感がとても大切で、滑るから一生懸命力を入れて楽器や弓を持ってしまうと非常によくないのですね。とくにガンバの弓は右人差し指根本関節近くで直接弓の毛とコンタクトしているので、その場所が乾燥して弓の毛が滑ってしまうと弾けなくなってしまって困ってしまう事態が発生してしまって難儀なことこの上なく(こんどは連続「しまう」)。

そこに登場したのが、若いころから経験していて「乾燥の先輩」と言えるカミさんが見付け出した方法というかグッズというか薬というか。

グリセリンワセリン(いわゆる白色ワセリンね)。

グリセリンで保湿してワセリンでそれを閉じ込めるような感じ、でしょうか。

もともと、薬や化粧品の原料になるようなモノですので当然香料などが含まれておらず、匂いも殆ど気にならないし使用感もシンプルで、なんといっても安い。ホントに安い!

弾く前に限らず、手を洗ったあととか寝るまえとか、ことあるごとに使っています。百均で入手した容器に小分けして、カバンにもいつも入っています。

そして、このグリセリン、なめてみると(何故なめるか?)甘いのでした。不思議…と何となく思っておりましたが、この記事を書くためにWikipediaに聞いてみると、「甘いからグリセリンと名前がついた」とのこと。

知るは楽しみなり、と申しますが(昔NHKの鈴木健二さんがこう言って始まる番組があったね)、知ってしまったあとで、知らなかったときの自分を省みることにも、ある種の面白さがあると感じることがあります。

「ああそうだったの!」

こういう体験を、忘れないで積んで行けたらと思う…

…のだけれど、でもどんどん忘れていく、華麗なるもの忘れについては、また機会を改めて書こう。

【参考】Wikipediaより
◇グリセリン
◇ワセリン

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